私、普通の女の子じゃないの。
「ねぇ、屋上は入っちゃダメだよ。
教室に帰ろうよ。」
彼の方を振り替えると
彼は屋上の扉を閉めていた。
そして何も言葉を発せず
私の方へ振り返った。
頭や手を下にだらんとさせ、
まるで何かにとり憑かれたかのように
ゆっくり、ゆっくり
私の方に近付いてきた。
“いつもの彼じゃない”
私には黒や赤や紫がぐちゃぐちゃに
混ざったようなオーラを感じた。
その不気味な雰囲気に私は息を飲んだ。
「ねぇ、どうし」「お前が悪いんだ」
「えっ、?」
「お前が悪いんだ!!!!」
彼はそういうとキッと顔をこちらに向けた。
突然の震えが私を襲った。
彼はやっぱりいつもの彼じゃなかった。
いつもの優しい笑みや顔はどこへ行ってしまったのだろうか。まるで犯罪者のような薄気味悪い顔をしている。
「謝れ。土下座して謝れ。」
彼は冷たく私に言い放った。
私はここで言うことを聞かなかったら殺させるような気がした。だから、何度も何度も冷たい床の上に頭を擦り付けた。意味も分からず謝りつづけた。
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
「全然足りねぇな」
「ご、ごめんなさい。。ごめんなさい。。」
「もういい。横になれ。」
私は彼の人形になってしまったようだった。彼の命令に逆らえず、勝手に体が言うことを聞いていた。
私が横になった瞬間、彼は私の上に股がり両手を頭の上に押さえつけた。そして今までで一番不気味な笑みを浮かべると、私の服の中へ手を入れ始めた。
そして容赦なく私の身体中を触り始めた。
私は純粋だった。本当に純粋だった。
小学6年生にも関わらず、サンタを信じ、
男女の行為について知らなかった。
だから、自分がどういう状況なのか全く分からなかった。しかし、どんなに無知とは言えども、いけないことをしていることだけは分かった。
ただただ、
“怖い”“気持ち悪い”
“怖い”“気持ち悪い”
この二つが私の身体中を駆け巡り
彼から逃れろ!という心の声が聞こえた。
「や、やめて、、」
私はやっと出た小さな声と伴に身体を動かして彼の手から逃れそうとした。
しかし、無駄だった。
彼は辞めてくれるどころか嬉しそうに微笑んだ。その瞬間その不気味な笑みが私にとり憑いた。そして、私が拒めば拒むほど、彼の行為が悪化した。逃げたいのに、悪化する恐怖。私はひたすら彼の与える“怖さ”と“気持ち悪さ”を受け止め続けるしかなかった。
私の身体を這う手。
私の身体を這う舌。
自分でも触ったことない
場所に入れられる指。
初めて見る男の子のもの。
目の前で見せられる男の子の行為。
無理矢理触らさせる男の子のもの。
全ての感触が“気持ち悪い”
(いやぁあああぁぁ!!!!)
叫んでいるのに、怖くて声がでなかった。
それでも心の中で叫び続けた。
(お願い、、誰か助けて、、もう辞めて、、)
最後に、彼がゆっくりと私の足を開き始めた。
彼は男の子。力が強くて私の小柄な体じゃ逃げることは全くかなわない。私は逃げることに諦めを感じた。何もかも終わりだ。