叶わない。
2月5日夜
電話で本心を告げた。

『ひなさん。実はね。俺心臓に病気があるんだ。』

親にも言えてなかった真実。
余命まで決まっていた事。
持っても38歳まで。
すべて伝えた。

『明日病院いって再検査』

ひなさんはその言葉を聞いて黙り混んでいた。

『ごめん。』

僕は謝ることしか出来なかった。
ひなさんは一言だけ答えた。

『やっぱな!うちよしきにはもっと闇みたいなのがあるとおもってたんだ!でもそんな重たいなんてなぁ』

鼻をすする音がきこえた。

『うちさ。離婚しようかな。離婚してよしきを支えたい。』

そんな風にいってくれた人初めてだった。
勿論誰かにこんな話をするのも初めてだったのだが、自分のなにかが切れてしまった。

『手術すればまだ生きれるらしいんだけど、巧くいくかわからないって言われて怖くて…。だったら誰もしらないで、一人で死にたいっておもってた。』

『一人で死なせないよ。』

そこで電話が切られた。
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