叶わない。
目が覚めると、そこは見慣れた部屋の天井だった。

そうか俺自分の部屋で寝てただけか、
ばれた訳じゃないんだ。
よかった。

頭が痛い。
どうしてだろう。
頭に手を伸ばすと包帯が巻かれていた。

『夢じゃなかったんだ。ばれたのか』

そう思うとそこには母親がいた。

『よしき?起きたの?大丈夫?名前わかる?』

そうだ。
俺は、不倫をしたんだ。
ひなさんは無事なのか。
それだけが心配だった。

立ち上がろうとしたが思うように動かない。
手を貸してくれる母親。

『今何日?』

どのくらい眠っていたのか、全く覚えていない。

『2月14日よ。』

俺はそんなに眠ってたのか。

そこに医者がきて、言われた。

『心臓のことお母さんに話したぞ。麻酔が抜けるのに、約1週間掛かるから。そんなに待たすわけいかないだろ。』

そうか…
お母さん知っちゃったんだ。
ずっと黙っていた。

『俺はどうなんですか?』

医者は、黙り混む。

『手術したんすよね?治ったんですか?』

『治りはしない。ペースメーカーで心臓を動かしてる。無理はさせれない。でも、普通の生活なら支障はないよ。』

『そうですか。よかったです。ありがとう。』

安心したのもつかの間だった。
ひなさんの無事を知りたかった。

携帯を探す。
母親が気がついてくれたみたいで携帯を渡してくれた。

着信が異常な程入っていた。
やすまさ。

『俺顔見せないと…』

やすまさに電話をかける前に、
ひなさんに電話をかけていた。

電話にでたのは、
やすまさだった。

『おす。病気平気かよ。殴ってわるかった。今家にいるから来れるならこいよ。』

僕は、母親達になにも言わず、やすまさの家に向かった。
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