叶わない。
時間が立ち10月6日
ひなさんの誕生日。

僕は、ひなさんの顔をまったく見ることなく、連絡も取らず、全ての責任を背負って忘れる事にした。

でもこの日は忘れてはいけない気がした。
僕は、ひなさんと初めていった江ノ島にいった。

勿論いるはずなんかなかった。
ビールを飲みながら、ため息をついていた。
いたらいい。そんな風に考えていた。

『誕生日おめでとう。』
そういって僕はその場を去った。

でも僕の足はやすまさの家の方へ向かっていた。
やすまさの家ノ前でなにをするわけでもなく、ただ見ていた。
会ったらいけない。そうわかっていた。

僕のずっとつけていたピアス。
高価なものではないけど、ずっとつけていた。
ひなさんも見つけてくれたら思い出してくれるだろうと思い郵便ポストに入れて、僕は家に帰った。
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