叶わない。
海までは、お店から歩いて行ける距離だった。
海岸ではしゃぐひなさんを見て、無邪気で可愛い人だなと、思ってる僕。

『あ、そうだ。ビール!』

と僕は本来の目的を忘れていた。
海の家の様な建物に入り、普通にビールを飲み始めていた。
そこにひなさんが戻ってきて。

『あれ?それノンアルコール?』

『え?違うよ?それおいしくないじゃん?』

と思ったのだけれども、すぐ頭に浮かんできた。

『俺バイクじゃん!うわぁー』

とは、言うものの飲んでしまったものは仕方がない。
何処かで休むしか無かった。

『えーどうするの?帰れないよ?うち免許ないし!』

最悪の状況だ。
電車で帰らせるのも男として、立場がない。かといってホテルで僕がなにかをしないで我慢ができる訳じゃない。
僕は決死の思いで頼んだ。

『本当にごめん。あのさ。絶対になにもしないからちょっとホテルで寝かせてくれますか?』

『ストレス発散じゃ無くなっちゃうね。まぁしょうがないか!よしきならいいよ!』

はい?そのよしきならいいよってなんだ?
なにもしない安全だでいいよなのか?
それとも…。
考えてもらちが開かない。
僕とひなさんは二人で昼のフリータイムというのに入った。

『ホテルってうち初めて!すごい!みてオーシャンビューだよ!オーシャンビュー!』

『はしゃぎすぎないでね。もしこれがやすまさにばれたらどうなることか…。』

『大丈夫だよ!絶対に言わないよ!』

そんなやり取りをしながら
僕はすぐ寝てお酒を抜いて、すぐさまホテルから出ようと思っていた。
するとひなさんが

『みてみて!大人のおもちゃ売ってる!すごーい!こうゆうのってどうなのかな?』

僕は寝たふりでどうにかごまかそうとする。
お風呂場に行ったりテレビで如何わしいものを流してみたり、様々なことをして僕の睡眠を邪魔してくる。

『ひなさん?お酒抜けないと帰れないよ?』

そう言うとひなさんが僕の寝ている上に股がり。

『よしきの事がすき。』

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