イジワルなカレの愛情表現
どれくらいの時間笑われ続けていただろうか。
少しするとやっと落ち着いたのか、大きく息を吐いた。


「入社動機もお前らしいな」

「……それはどうもありがとうございます」


大笑いされた後に「お前らしい」と言われたって、なにも嬉しくない。

それを感じ取ったのか、永瀬さんは「悪かったよ、笑ったりして」と付け足してきた。


「仕方ねぇじゃん。あまりにお前らしい理由だったからさ。……それにしても昔からそうなのか? その尽くす体質は」

「そうかもしれません」


思い返してみれば、幼い頃からそうだったかも。

両親のために、友達のために。そして思春期を迎えれば好きな人、彼氏のために。

そうやって長い年月、誰かに尽くしてきた。


「そのようだな。だってお前、無意識でやっているのかもしれないけど、ここに来てからだってずっと俺に尽くしていたじゃん」

「――え?」


ここに来てからずっと??

身に覚えのないことに首を傾げてしまう。

すると永瀬さんは、取り皿に盛り付けられているサラダや卵焼きを指差した。
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