焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
「まったく……。あんたたち、ほんとに喧嘩するの好きだよね~」


呆れて笑うしかない、と言うような声に反論したい気持ちはヤマヤマだけど、私はそこをグッと堪えて膝を抱え込んだ。


マンションを出て転がり込んだのは、こういう時の常宿の宿、同期の島田佳代(しまだかよ)の部屋。
この間転がり込んでから、実に一ヵ月ちょっとしか経っていない。


喧嘩するのが好きなわけないじゃない。
喧嘩なんかしたくないに決まってるじゃない……。


心の中でそう反論はしても、強気に出れるわけがない。
なんせ、佳代には本当に、この半年迷惑をかけまくりなのだから。


「なんか、もうリピーターみたいだよね。そんなにうちの居心地がいい?」


クスクス笑われても、私は肩を竦めるばかりだ。


「……勇希と一緒にいる部屋より、ずっと居心地いい」


抱えた膝の上に顎をのせてポツリと呟くと、佳代が困ったような目をして溜め息をついた。


「三年も一緒に暮らしてるのに」

「時の流れるまま過ごしてただけ」

「……私は、仲良くていいな~って思ってたけど?」


首を傾げる佳代の言葉に、一瞬黙り込む。
仲が良さそうに見えたのは、せいぜい同棲一年目ぐらいまでだろう。
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