焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
「そう思ってるのは、私だけじゃないよ? 俊哉もよく言ってる。『喧嘩するほど仲がいいって本当だな』って」


私、潮崎智美(しおざきともみ)と勇希、そして佳代は大手総合商社の同期同士。
それぞれ部署は違うけど、同期会での繋がりもあるし、お互いによく知っている関係だ。


俊哉、というのは、やっぱり同期の一人で、千川俊哉(せんかわとしや)君。
佳代が去年から付き合っている彼で、勇希にとっては親友だ。


「俊哉が言うにはね、葛西君が仕事で成績あげてるのも、智美がそばにいるからだって」


持ち上げ過ぎだ。
勇希が仕事に集中出来るのは私がそばにいるからじゃなく、身の回りのことを自分でしなくて済むからってだけなんだから。


可愛くないと思っても、心の中ではそんなふうに愚痴ってしまう。


とは言え、同棲を始めてから、勇希が次々と仕事で大きな成果を挙げているのは、確かに私も知っている。
最初のうちは、それが誇らしくて嬉しいと思っていた。


だから、少し冷静になって勇希を想う。
最近の自信が漲る端正な勇希の顔が脳裏に過って、私は肩で溜め息をついた。


「……勇希が未だかつてないくらい忙しいのはわかってる。 社運を賭けたプロジェクトチームのメンバーに抜擢されて張り切ってるし」


ポツリと呟く私に、佳代が横目を向けるのを感じた。
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