焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
シャワーを浴びて身体だけはすっきりしてリビングに戻ると、私はリビングのテーブルの上の状況に目を丸めた。


「出たか。ほら、智美」


入ってすぐの位置で立ち尽くす私に、勇希はいきなり缶を放り投げてくる。
反射的にキャッチしてから確認すると、発泡酒じゃないプレミアムの缶ビールだった。


「ちょっ……、勇希っ! このビールは週末だけって!」


節約、って意味もある。
だけど意味的には週末の贅沢感の為に、同棲当初から『平日飲むなら発泡酒』が二人の間のルールだった。


……って、何言ってるんだろう、私。
思わず声を上げた自分に突っ込む。


そんなことどうでもいい。
私には関係ないんだから、勇希の好きなようにさせておけばいい。
自分にそう言い聞かせて口を閉じた私に、勇希は軽く吹き出して笑った。


「今日は特別。ルームシェア開始記念ってことで」


つまり、パーティーのつもりなのか、この無駄に豪華なお惣菜の並ぶテーブルは。
私はビールを手にしたままで呆然とテーブルを見遣った。


「まあ、プロジェクトのリサーチも兼ねてるんだけどね」

「だ、だからってこんなにたくさん……高くつくじゃない」


ケチくさいことを言うのも嫌だけど、このグレードにこの量。
つい頭の中で電卓をたたいてしまう。
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