焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
「なっ……。何してんの。冗談止めてよ」


焦りからか、智美の声が妙に強張っている。
それを聞きながら、俺は軽く膝をつく位置をずらした。
俺の動きで、ベッドが音を立てて軋む。


「……智美。触っていい?」


ボソッと口にした言葉に、智美が大きく目を見開いた。
そして、ゲテモノでも見るような目を俺に向けて来る。


「……何言ってんの?」

「いや……。こういう角度で智美を見下ろすの久しぶりだなあ、とか思ったら、……ちょっと」


智美の返事を待たずして、俺はそのまま左手で脇腹を撫で上げた。
さっきよりも大きく智美の身体が震える。


その反応に妙にゾクゾクして、俺は上半身を屈めた。
そして、反らし過ぎて無防備な智美の首筋に唇を這わせる。


「ちょっ……! ふざけないで。止めてったら! ……ただのルームメイトに、どうしてこんなこと出来るのっ!?」


智美が必死に俺に抗議する声が、耳元でわんわんと響く。
それでも、聞き入れてやれない。
鬼畜なくらいに、俺の鼓動は昂っていた。


「……ただのルームメイトじゃない。智美は彼女だからに決まってんだろ」


当たり前じゃないか、と心の中で付け加えながら、左手をTシャツで隠れている部分まで進めて行った。
胸の膨らみの起伏が始まるところを撫でた時。


「い、今更、彼女とか簡単に言わないでよ! もう恋人じゃないのに、こんなの嫌だ!!」
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