焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
この半年……新しいプロジェクトに抜擢されて、勇希が張り切っているのは私も知っている。
だけどそのおかげで、私と勇希の関係はこの半年で急速に冷え切っていった。
勇希への不満は積もり積もってしまった。
彼を好きだと思う気持ちは、その積み重なった地層の最下層で固まっている。


勇希、わかってるのかな。
私たち、来月でもう七年目になるんだよ。


一緒に暮らすようになったこの三年で、私と勇希のお互いに対する気持ちは、もう『恋』とは呼べなくなってしまっている。
勇希の存在は空気のようだとも思うし、今じゃ呼吸をするより簡単に喧嘩する。


こんな状態で、七年目に突入してしまっていいんだろうか。
いや、良くないに決まってる。


真剣になりたくなくて聞き流して来てしまったけれど、母の心配が今まさに私の心を占めている。
こんな空しい気分になった今、むしろ私の方が心配だ。これからの私が。


だから。
今がまさにその時なのかもしれない。


パンパンに膨れ上がったバッグを提げて、私はリビングに足を踏み出した。
組んだ腕を枕にして床にゴロンと寝そべる勇希の横をこれ見よがしに通り過ぎる。


リビングから廊下に向かいながら、私は一度ピタッと足を止めた。
そして、大きく振り返る。
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