焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
お粥を食べて薬を飲んで、いくらか身体の調子も良くなってきたのか、勇希はその後もベッドには行かず、リビングのテーブルでモバイルパソコンを起動させた。
会社から貸与されているそれは、仕事のファイルにもアクセス出来る。
小さい画面でちょっと使い辛そうだけど、黙々と仕事を始める。
そんな勇希を横目に、私は食器を片付けてシャワーを浴びた。


リビングに戻って来ると、勇希はテレビもつけずに仕事に没頭していた。
テレビくらい一緒に観ようと言ってくれたけれど、さすがにこの状況でテレビを観るのは気が引ける。
昨夜のこともちゃんと聞きたいし話したかったけれど、とてもそんな空気じゃない。


結局私は、出戻ってからの数日と変わらず、さっさと寝室に引き上げた。


携帯を片手にベッドに横たわったまま、何もせずにボーッと夜の時間を過ごす。
ふと、今回の喧嘩から一週間が過ぎたことに気付いた。
いつもの喧嘩なら、ちょうどこのタイミングで勇希が私を迎えに来て、再度、それまでと変わらない生活を始めていた。
だけど今回は、そう簡単には決着が着かない。


一度深い溜め息をついてから、無意識にゴロッと寝返りを打つ。
相変わらず私はベッドの右半分でしか眠れない。
左側は無駄に広くぽっかりと空いている。
つい数時間前はそこで勇希が眠っていたはずだ。
思考がそんなところに辿り着くと、急にカアッと頬が熱くなった。
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