恋はまるで、粉雪のようで。
「そういえば、ひなたはキレイになったよね」


「そうそう、私も駅で見たときにそう思ったよ」


「そんな褒められても、なんにも出ないよ」


「もしかして、彼氏できたんじゃない?」


「えっ?」


動揺して、持っていたカップを落とすかと思った。


「あー、やっぱりそうなんだ、どんな人なの?」


「ひなたの彼氏がどんな人なのか、気になって眠れなーい」


「えー、別に普通のサラリーマンだよ」


言ってから、しまったと後悔した。


まだ、彼氏がいるって言ってなかったから、ごまかそうと思えばできたのに。


「ひなた、嘘つけないよねー」


「なかなか3人で会える機会ないんだから、話してよ」


どう話そうか考えているうちに、祐子と美佐はサークルに残っていたから、櫂くんのことを覚えているかもしれないって気づいた。


櫂くんの名前を出そうか迷ったけど、確かになかなか会えないんだから、祐子と美佐には正直に話そうという気になった。


「えっと・・・サークルが一緒だった、榎本櫂くん」


「あっ、もしかして、2年後輩の?」


「かわいらしくて、感じのいい子だよね?」


「二人とも、覚えてるの?」


「うん、サークル内でも人気あったし、人望もあったしね」


「ひなた、いい人みつけたね」


「でも、ひなたサークル辞めちゃったのに、いつどこで知り合ったの?」


出会ってからつきあうまでのことを話したら、


「いいなー、運命的な出会い」


「ひなたも待ったかいがあったね」


喜んでくれたから、認めてくれたみたいで嬉しかった。



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