恋はまるで、粉雪のようで。
薄暗い部屋の中で、明日の朝何時に起きるか聞いてみた。


「そうだなー、一度家に戻って着替えないといけないから、6時半くらいかな」


ちょっと小さいスウェットを着ている櫂くんの横顔。


目の前にいるのに、なぜか少し遠く感じるのは何でだろう。


「じゃあ、6時に起こすね。


朝ごはんは何がいいかな、っていっても、たいしたものは作れないけど」



「ひなたさんが作ってくれるのは何でも食べるよ、楽しみにしてる」


「プレッシャーだなぁ・・・」


「それより、ひなたさん、もう一度したい」


「えっ・・・」


「だって俺、ひなたさんに身も心も奪われてるから」


「櫂・・・くん」


私の返事を待たずに、激しめのキスをする櫂くん。


大好きな人にそんなキスされたら、断れるわけない。


私だって、身も心も櫂くんに奪われてるから。




こうして、櫂くんと私の初めての夜は更けていった。


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