桃色アルバム
上野が、ケイタに微笑んだ。


そうして、小さく口を微妙に動かすと、目をとじた。



上野の手がケイタの両手からこぼれ落ちる。

それを、ケイタは必死に握りなおした。


耳に、ピーという高い音が聞こえてくる。




「・・・なんだよ、目ぇあけろよ上野!!!」

ケイタが叫んだ。
だが、上野は目を閉じたまま、微動だに動かなかった。

「・・・ふざけんな・・一緒に海いくんだろ・・・ふたりで、勝負ついてないじゃんかよぉ・・・・・・っ」



ケイタは首をおとした。

上野の手が、あんなにあたたかかった手が、今はつめたい。

人形をさわっているみたいだ。

ケイタは、声をかぎりに叫んだ。

「上野ーーーーーーーーーー!!!!!!!」
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