「先輩。」
「龍貴さん…」

龍貴さんだった。

「って美湖!?どうして泣いてるんだよ?」

龍貴さんはそう言ってわたしを強く抱きしめた。

彼女がいるのになんでこんなこと?

私にしても大丈夫なの…?

二つの疑問と同時に感じた──

──嬉しさ。

「大丈夫か?」

龍貴さんは優しく私に声をかけてくれた。

やっぱり私、

失恋した今でも龍貴さんが好き。

洸、これが私の答えだから───。
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