ピアノ少年とサッカー少年と私
サッカー少年との出会い

家の前で

矢澤瓔君は一体何物かと思いながら、私は家にあるピアノの椅子に腰をかけた。
ピアノのコンクールまで3ヶ月をきっている。
だから家ではコンクールの曲しか弾いてはいけないと親に言われている。

私はゆっくり鍵盤に手をおき、コンクールの曲を弾きはじめた。
私がコンクールに選んだ曲は、ショパンの【「革命」エチュード】だ。

親友の香菜葉は怖いイメージが嘉耶にピッタリなんて言っていた。
曲が中盤に差し掛かった頃、家の外から声がした。
男子が喋っている声だ。
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