半分のキモチ
「あれ?清水君は?」

「あっ、気分悪いって帰った」

「は?帰った?さっき食べてた焼きそばでも当たったのかもね?」

「……かもね。あっ、はい。氷」

「ありがとう」


私は氷を渡しその足で屋上へと向かった。
屋上には文化祭で使う道具や衣装が乱雑に置いてある。


その荷物を足でまとめ小さなスペースを作ってそこに座った。


もたれかかった壁からヒンヤリとした冷たさが背中に伝わり、その冷たさが心まで急速に冷やして行くように感じた。


そして、コツンと壁に頭が触れるとそれが合図のように涙が零れた。







『……ごめん』








確かに清水の口はそう動いた。


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