半分のキモチ
空がオレンジ色に染めかけた頃。
職員室から教室へ向かう廊下には俺の足音だけ。


就職のことで正也に呼び出された俺は、どのクラスにも誰も居ないと思い込んでいた。


「……」

「……」

「……」


別に盗み聞きをするつもりはなかった。
二人の後ろ姿が教室に入るタイミングを逃しただけ……


「最近、清水絡んで来ないな」

「……そう?気のせいじゃん。変わらないと思うけど」

「いや、いや、気のせいじゃねーよ」

「……」

「宮本は平気?」

「ん?平気もなにもないよ。別に変わってないと思うよ。かっちゃん気にしすぎだよ」


教室には克巳と宮本の二人だけ。
そして話してるのは俺のこと。

< 53 / 250 >

この作品をシェア

pagetop