半分のキモチ
宮本は俯いたまま動こうとしなかった。
俺はそんな宮本の背中をしばらく見つめ、宮本が「ふ~」と小さなため息をついた時に教室へ入って行った。
 

「帰らねーの?」


俺の声に宮本の背中が跳ねた。


「あっ、うん。帰るよ」

「一人?」

「一人だよ」

「そっ、」


そのまま見なかったことにして帰れば良かった。
これじゃ前と何も変わらない。
でも、気付かないフリなんてもう出来なかった。



「泣いてんの?」



震えていた小さな肩。
誰にも気づかれないように一人泣いていた宮本。

俺のくだらない約束を守って……


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