半分のキモチ
「アイツら克巳の知り合いなのかよ」

「あっ、元カノの友達だよ」

「なんで、そいつらが宮本に、」

「清水には関係ねーことだから」


克巳はイラつくように言うと宮本の背中にそっと触れた。


「ちょっと良い?」


克巳の言葉に宮本は頷き克巳と一緒に近くのベンチへと座った。


宮本は一度も俺に視線を向けようとはしない。
そこには俺なんか居ないように。


真っすぐ俺に向けられていた瞳は
今は克巳に向けられている。


俺が見ることが出来なかった真っすぐな瞳を
克巳は何の躊躇いもなく真っすぐ見つめ返していた。

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