この手を離さない
夕方になり、施設に戻り園長先生に挨拶に伺った。



「お帰りなさい。どうだった?車いすの上から見た街中は」



園長先生は紅茶をいれて、迎えてくれた。



シンプルなティーセットは、彼女の物静かな人柄を表しているようだった。



「余りいいものではありませんでした。施設に入所されている皆さんは、いつもこんな思いをされているんですね」



私がこういう反応を示すのが予想できたいたようで、園長先生は始終笑顔だった。


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