ココアの甘さ
「おかしいと思うことはあったんだ。
美華から仕事の話も聞いたことがなかった。
今思い返してみたら、美華の知ってることって好きな食べ物、酒くらいだ。

なぁ...」

私から少し目線を落とした後軽く息を吐いて、また私を見た。

「何でも話せる仲だって思ってたのは俺だけだった?」

まっすぐ、その眼に。
私は惹かれていたんだ。

「って、実際美華は話してくれなかったんだから仕方ねえよな。」
「...ごめん、ね。」

謝っても意味がないことは分かってる。それでも。
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