失った愛を


目を開けると、さっきのうさぎ。

『いくら低血圧だからって客人の前では二度寝禁止〜!』

そう言いながらべしべしとあたしの頬を
叩いてくる。

しかも、キュートな見た目とは裏腹に、
かなり強めの力を持っているようで。


「ったい!痛いってば!起きるから叩くのやめて!!」

あたしはおずおずと起き上がった。


その様子を見て、満足気に微笑むうさぎ。


『おはよう。それじゃあ、』


あたしの膝の上に乗って


『契約をしようか。』


うさぎはそう、言い放った。


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