俺様上司は溺愛体質!?
指の腹でそっと撫でる。
さらさらと滑る感触はなんとも気持ちがいい。
「きれい……まるで妖精の羽根みたいですねぇ……」
思いついたことをそのまま言うと、
「そうだ」
真屋時臣は少し驚いたように目を見開き、それから改めてちとせを見下ろす。
「では、今履いているストッキングを脱げ」
「……はい」
ほんの少し間が空いたけれど、ちとせはうなずいていた。そんな自分にも驚いた。
恥ずかしいという気持ちはある。
けれどそれ以上に、あの妖精の羽根のようなストッキングを履いてみたいという好奇心が勝った。
「ちとせ、パーテンション広げるからそこで脱いだらいいよ」
アシスタントに徹すると決めたらしい潤は足早にフロアの奥に移動し、壁に立てかけていたパーテンションを広げその向こうにパイプ椅子を置く。
「ありがとう」
パーテンションは高さが二メートル、幅は三メートルほどあり、不透明で完全に視界を仕切られる作りになっていた。
覗かれるはずがないとわかっているが少しでも見えないに越したことはない。