俺様上司は溺愛体質!?
「たくしておいたよ」
「ありがとう……」
真屋時臣はまだ目の前にしゃがみこんでいた。だからまともに顔が上げられない。
(やだ、手が震える……。)
けれどこの強烈な体験はしっかりちとせに刻みつけられたようだ。
彼がやったように手間取ることなく右脚も履くことができた。
「できた……」
「どうだ?」
真屋時臣は立ち上がり一歩下がると、満足げに体の前で腕を組む。
「なんだか不思議な感じがします。カバーはされてるけど締め付けられてないっていうか。例えて言うなら、すっごく柔らかい抵抗力ゼロの空気で出来たブーツに足を入れているみたいな……ふわふわしてます」
「少し動いてみろ」
「はい」
ちとせはうなずいて椅子から立ち上がる。そして部屋の中をウロウロと歩き回った。