俺様上司は溺愛体質!?
「すみません」
「いやいや、そんな気にしないで」
エレベーターに乗り込み二十八階を押す。動き出してからすぐに、コホンと咳払いをした伊東が話しかけてきた。
「えーっと、萩原さん、第三はどんな感じ?」
「そうですね……。なんていうかまだ十日かそこらなのに驚いてばかりです。阿部君とか、私の中で伝説でしたし、机向かい合ってるのが不思議な感じがして」
「ああ、ファッションモンスター、アベジュンか」
「それに真屋さんは、なんていうか……凄いとしか言いようがないし……」
「確かに」
うんうんと伊東がうなずく。
そしてエレベーターが二十八階に到着した。
「ありがとうございました」
お礼を言ってエレベーターを降りる。
けれどドアは閉まらなかった。
「は、萩原さん……」
「はい?」
伊東が閉まろうとしているドアを押さえている。