俺様上司は溺愛体質!?

 どうしたのだろうか。
 何かあったのかと問いかけようとした瞬間、

「今度、メシでも行かない?」
「えっ!」

 叫んだ瞬間、なぜかパアッと伊東の顔が赤くなった。

 身長は真屋時臣とそう変わらないように見えたが、さすが元ラグビー部らしくかなり筋肉質である。
 そんな彼がみるみる顔を赤くするのはなんだか不思議な気分だった。

「あ、ごめんな。なんか急で……」
「いっ、いえ、その、まさかと思って、驚いただけですっ……」

 つられて顔が赤くなる。

「営業トークなら得意なんだけどなぁ……」

 ハハッと笑う伊東は、短めの黒髪をワシワシとかき回し、それから人のいい大型犬のような目でちとせを見つめた。

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