俺様上司は溺愛体質!?
「えっと、改めて今度誘っていいかな」
「はい、その、大丈夫です……」
「ありがとう。じゃあまたね」
「お疲れ様です」
ドアを押さえていた伊東が身を引くと、慌ただしくドアが閉まっていく。
(どうしよう……ものすごく久しぶりに男の人に食事に誘われてしまった!)
衝撃と同時に、信治郎の占いを思い出す。
『男難の卦が出てるわ』
(男難ってことは、男の人絡みで災難が降りかかるってことだよね。いやでも伊東さんはただ食事に誘ってくれただけだし……。災難なんて起こりようがないし……。いやいやそもそも一番の災難は真屋時臣だし!)
仕事はできる。それは間違いない。
たった四人(まだ三人だが)で大きなことをしようとしている真屋時臣に誘ってもらえたことは、きっと幸せなことだったのだと思う。
これはやりがいのある仕事なのだから。
自分にとって、彼がただの上司であれば……。