小話置き場


「は、はあ!?なんでそんなウソつくんですか!」


私にさんざんウソつくなって言っといて!?


文句を言ってやろうとしたら、顎に添えられていた手で両頬をぐにっと押された。


みっとない顔にさせられた恥ずかしさと、先輩が私にそんなことをしたという事実に混乱する。


「ふ、ふぐ、!?しぇ、しぇんぱ」

「告られたとしても絶対断るから君が心配するようなことにはならないけど、だからって何も言われないのも腹立つね」


り、理不尽!

妬かせるためのウソだったのか!


いや妬いてないわけじゃないです!わかるでしょ!?さっきまでの私の頭の中、超真っ黒だったよ!!


先輩は言葉通りムカついた顔をしている。ようやく顔から手が離されて、私は困った顔をした。


「そ、そんなこと言われても……そりゃ、告白は嫌ですけど、勉強の邪魔はしたくないです」

「じゃあそれ言えばいいじゃん。何も言われないのがムカつくって言ってんの。てゆーかここ最近、僕のこと避けてたよね?たまに会ったら、なんか泣きそうな顔するし」


ご、ご立腹だ……。

今まで見たことないほど怒っている彼を前に、逃げ出したくなった。




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