課長の瞳で凍死します 〜Long Version〜
 色褪せた朱色のファイルが並んでいる。

「五つもあるよっ」

「やりましたねっ」
となにかお宝でも掘り当てたかのように、喜び合い、ちょっと待て、と思ったのだが、その隙に、羽村はさっさと箱と脚立を戻しに行ってしまった。

「ありがとう。
 助かったよ。

 じゃ、行こうか」
と笑顔で言ってくる。


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