夜の連続ホラー小説
第一章 マリカの場合
「マリカはすごいね。俺、三ヶ月も続いたの初めてだよ」



付き合いはじめて三ヶ月の記念日に、

急にヒロキがそんなことを言って、

わたしは頭にきた。



なんで

ヒロキはせっかくのわたしとの記念日に

前の女を意識させることを

言ったんだろ?



わたしとヒロキは記念日だから

いつものデートでは入らないような

ちょっとだけ高いイタリア料理屋に

きてるのに。



「なにそれ?」



自分でもわかるくらい

不機嫌にこたえてた。



わたしが不機嫌だからって

ヒロキはさっきよりも

楽しそうになったように見えた。
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