夜の連続ホラー小説
…………五人…………
五人…
少なくても五人が
わたししか知らないと思っていた
ヒロキのことを知っていて…
もしかすると
わたしのまだ知らないヒロキのことを
知っていると思うと……
さっき感じた不吉なことなんかわすれてしまって
涙をこらえるので精一杯だった。
でも、それも無理で
わたしは涙を少しだけこぼしていた。
「マリカ……」
ヒロキが辛そうな顔をしてた。
そんな顔を見たこともなかったし
見たくもなかったから
泣けてきた。