妬こうよ、そこはさ。【番外編】
自分でも意識しないうちに、ぽろりとこぼれていた。


思いつきじゃない。


結婚するなら、この人がいい。


それだけはずっと、もうずっと、思っていて。


言い出すきっかけが上手く掴めなかっただけだった。


とにかく俯きそうになる眼差しを意を決して上げて、見つめる。


「そうだね」


これからもよろしく、と、俺の不安げな視線を受けた彼女は、至って真面目に頷いた。


「二人でいろいろ、話し合って、ちゃんと決めようね」

「ん。大事に決めよう」

「うん。大事に」


厳かに言い交わす。


噛み締めた約束がゆっくり穏やかな喜びをもたらして、何にかは分からないけど、とにかく彼女となら大丈夫だ、と思った。


理詰めで、無口で、結構口下手だけど、大丈夫。

話し合えば、大丈夫。


視線が絡む。


見つめる瞳に宿る熱量が心地いい。


少ししていたずらっぽく沈黙を破ったのは、彼女だった。


「ねえ、未来の旦那さん」

「何、未来の奥さん」


いたずらっぽい眼差しの意味が分からなくて、内心首を傾げつつ、聞き返せば。


「思うんだけど、もう少し雰囲気も大事にしていこうよ」
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