妬こうよ、そこはさ。【番外編】
それから何週間か経って。


「やっぱり濃い?」

「濃いねえ」


なんて会話を俺が作った煮物で交わしてからは、二人とも、煮物を避けがちになっている。


解決策は、今だない。


「ただいま」

「おかえり」


チン、とレンジが止まる音に、自室に向かう前に聞いてみた。


「今日何?」

「肉じゃが」


……おう。


味付けが解決しないまま、彼女が肉じゃがを作った。


一瞬、今日も薄味なのか、と諦めが頭をよぎる。


ずっと避けていた煮物を作ったってことは、何か打開策があるんだろうか。


それとも食べたくなった?


……うん、そうだ。


味付けは俺が合わせた方がいいかもしれない。


濃い味付けに慣れるのは辛いだろうし、濃いより薄い方が健康的だし。


温めておいてくれた彼女に礼を言って、曇るラップを取る。


「いただきます」

「どうぞ」


ラップを取って、固まった。
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