俺様富豪と甘く危険な恋 ハネムーン編
ホノルル国際空港まで両親たちを見送った蓮と栞南。

蓮は自らが運転するホワイトのマセラティ、グランガブリオのオープンカーで別荘に向かっていた。

ホノルル動物園を通り、カハラ・アベニューを走っていると、右手に美しいブルーの海が眺められた。

蓮は手術した目のため、極力強い日差しを避けるように濃い目のサングラスをしている。

いくら健康な目でも紫外線は良くないと、蓮にサングラスを持たされて栞南もかけている。

顔や身体に当たる風が気持ちよくて、助手席で両手を上げて伸びをしたくなる。

ふと後ろを向くと、ホノルル空港から後方を走っていたダニエルとトニーの車が見当たらない。


「レン、ダニエルさんたちの車がいないけど……?」

「ああ、マーケットに寄ってから来る」

「マーケット!」


栞南は瞳を輝かせ蓮を見る。


「レン、私もマーケットに行きたいな」

「俺は行きたくない」


ズバッと否定されて栞南は目を丸くさせる。


「どうして? 外国のマーケットって楽しいのに。ダニエルさんたちが寄っているマーケット、知ってるでしょう? お願い。行って!」


以前、グアムの大型マーケットへ行ったときは、初めて見る物が多くて楽しかったことを思い出す。
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