運命の恋、なんて。
なんて、自己満なんだけど。




ハッキリ言わなきゃわからない人だって、返事を見て気づいた。




『どした、また頭痛?』





ちがーう!




これは頭痛で悲しいんじゃないってば。




ダメだ…わかってないよね。




『頭痛じゃないよ』




『そか。今から会える?』




い、今から…。




時計を見ると、16時。




無理な時間じゃないよね。




今日は塾もないし、20時ぐらいまでなら遊べるかも。




お母さんにはなんて言う?




塾でテストがあるって言えばいいか…。




急いで返事をすることにした。




『会えるよ!ゲーセンに行けばいい?』




『ヤスんちで待ってる』




なるほどね、また試練だわ。




ヤスくんの家…今日こそ、たどり着けるかな?




『わかった』




『わかんなくなったら、連絡して』




多分…ううん、絶対連絡する。




そんな確信を持ちながら、お母さんに少し遅くなるかもと伝えて、あたしは自転車を走らせた。




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