運命の恋、なんて。
「八雲くんって、その…いつも、勝手に友達呼んじゃうんだ?」




「あー、いつもってわけじゃねーけど。俺がいなかったりすると、な。今日は俺部活だったしー」




「そうなんだ部活…」




ここで、何部?って聞くところなんだろうけど、家に入る前に聞いておきたいことがある。




「あっ…あの、前の彼女…とかも、来たことあるの?」




「…えっ?」




わ!




聞き返された。




ここは、もう1度話すべきか、そのまま違う話にすり替えるべき?




どどっ、どうしよう。




迷っていると、ヤスくんがニヤーッと笑った。




「気になる?ってか、そーいうの八雲は話さない?」




ちゃんと、聞こえてたんだね。




あたしは急いで首を横に振った。




「八雲くんが話さないっていうか…あたしが勝手に気になってるだけで…」




「多分あいつ、そーいうの隠すタイプじゃないから言うけど。よく彼女連れて来てた」




そーなんだ…。




うわ、なんとなくやっぱり嫌かも。




元カノと比べられるよね…。




それに別れたとはいえ、そういう場所にあたしも来ていいのかって思ってしまう。




「気にしなくていんじゃね?」




顔に出てたのかな…。




「うん…どんな子?八雲くんの元カノって…」




それ、すごく気になる。




すごく好きだったカノジョ。




あたしは、そのカノジョの存在を超えられるのかな…。




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