運命の恋、なんて。
結局1時間半かけて、着いた先は…。




この間みんなで行った、水族館!




「ええっ、ここって自転車で来れるの!?」




「みたいだな。調べたら行けそーだったから」




驚いた…。




電車でもよかったのに、なんて言ったらガッカリされるよね。




それに、色んな話をしながら一緒に来れたことがあたしも嬉しい。




自転車をおりてこっちを向いた八雲くんは、思ったより爽やかな顔をしていた。




これだけの距離をこいだのに、それを全く感じさせないような表情。




「疲れてないの?」




「大丈夫。それよりさ、早く入ろ。カピバラさんが待ってるぞ~」




「もしかして、あたしにカピバラを見せるためだった?」




「いや。デートしようと思ったけど、デートコースとか思い浮かばなくて。どうやったら胡桃ちゃんを一番喜ばすことができるかなーって考えた結果がこれ」




ハハッと笑い飛ばしてるけど、それだけのためにここに!?




「ありがとう…あたし、八雲くんとならどこにいても楽しかったのに…ここまで大変だったよね」




「わっ、感激し過ぎじゃん」




思わず、ほろりと涙がこぼれる。




「だって、嬉しいよ…」




< 339 / 827 >

この作品をシェア

pagetop