運命の恋、なんて。
実行委員会が一緒の人なのかな…。



「わっ、胡桃ちゃん冗談だから。気にしないで」



あたしの表情が曇ったのを見た確井くんが、慌ててそんなことを言う。



「はるるんって…女の子なの?八雲くんと、仲いいんだ」



そう聞ければ良かった。



けどすぐに、確井くんたちが移動し始めたから聞くことすらできず。



「なんなんだろーね、あれ。八雲くんがモテるから悔しくて、胡桃をからかっただけなのかも」



ノンちゃんがあたしの背中を優しくさする。



「う…ん。けど、本当だとしたらやだな」



「大丈夫、八雲くんは胡桃にベタ惚れだからー!確井くんも、よくそう言ってるし。学校でも胡桃の話ばっかりだって」



あたしを元気づけようとしてるノンちゃんの優しさが胸にしみる。



もし話してるとしたら、他の友達にあたしのことが知れ渡ってるはず。



けど実際に把握しているのは、元カノ情報だった。



あたしって…なんなんだろう。




< 376 / 827 >

この作品をシェア

pagetop