運命の恋、なんて。

「起こってもないこと、先に心配しても仕方ねーよ。それを考えること自体に、怯えてるだけ」




「え…」




確かに、そうかも…。




あたしは考え過ぎなのかもしれない。




「ちゃんと、好きだから…胡桃ちゃんが、俺の中で一番」




見つめられて…ドキッと胸が高鳴る。




「あ…りがと」




目を逸らそうとすると、ギュっと手を握られた。




「わかってんのか？」




「うん…あたしも…」




「え、あたしもってなにが？」




急に八雲くんがイジワルな顔になる。




うっ…これは、わざと聞いてるよね？




「言えない…」




あたしも好きだなんて、恥ずかしくて、言えるわけない！