運命の恋、なんて。
「はぁ……あっ」



言ってからしまったと思ったんだけど、思わずついたため息に、八雲くんが心配そうに眉を寄せる。



「ごめん、ついボーッとしてた。つまんなかった?」



美術品を愛でるような境地だったなんて、言えない。



「ううん、そーじゃないんです。ゲーセンで取ってもらったやつ嬉しかったなって」



こじつけでなんとか会話を続ける。



荷物になるから、今は駅のロッカーに入れて来たんだよね。



「あんなので良かったら、いくらでも取るよ」



「ありがとうございます~」



「ブッ、あんま感情こもってねぇ」



え!?




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