運命の恋、なんて。
「羨ましいな~、愛されてますね」



「そーなんスよ、もうずっと片思いで」



「へぇ~、そうなんですか。いいですね」



ヘアメイクさんに、なんてこと言ってるのよ。



「それでは、私はあちらで控えていますね。時間がきたらお呼びします」



部屋をそそくさと出て行ったのを見計らい、ヤスくんが抱き着いてくる。



「あ~、超幸せ。こんな日が来るなんて」



「それ、女の子のセリフでしょ」



「そおか?いーじゃんね」



前を向かされ、チュッとキスされる。



「せっかくメイクしてもらったのに~…やだぁ」



「わっ、ごめん!どうしよう、もう一回呼んで来ようか?」



そんなの、キスしましたと言ってるようなもの。



「もう、いいよ」



「どうせなら、全部落とした方が」



またキスしようとするから、胸を押した。



「本当、バカだよね」



「お前のことになるとな?」



ギューッと抱きしめられ、幸せを感じる。



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