CURRENT
急に、菜月が私に向かって指をさす。
「ソレ?」
何を指しているのか分からず、首を傾げる。
「みんなの前で、浩ちゃんって呼んでいることですよ。
……ソレ、わざとですよね?」
「……バレた?」
さすがは菜月。
相変わらず、よく見ている。
いくら彼氏だからって、仕事中に名前でなんか呼ばない。
でも今日は、最初だから言ってみたかっただけ。
みんなの反応を見たかっただけ。
「最高に楽しかったです。
それに、お揃いの指輪の存在について、誰1人聞けないなんて」
そう、最初に社内がざわついていた理由。
それは、シンプルだけど、同じ指輪をしていたせい。
実はこれ、正式に付き合う前に浩ちゃんが用意していたらしい。