CURRENT



車に押し込まれたあと、家の場所を聞かれ、渋々答えた。

なぜか、車の中でも手は繋いだままだった。

妙に右半身がドキドキして、手に汗がたまっている気がする。

でも、放したいのに放してはくれない。

放そうともがけば、さっきより力強く握られる。

そして、目で訴えられる。

逃しはしない、と。


私の家に着いてからも一悶着あった。

私を送ってから、彼はそのまま1人で仕事へ行くものだと思っていた。

なのに、私を待って一緒に行くとか言い出す。

昨日のことで睨まれるはずなのに、一緒に出勤なんてしたくなかった。

でも彼は強引で、一歩も引かない。

あげくの果てには、人に家に上がり込んで待つという強行手段までやってのけた。

これ以上、何を言っても無駄だと思った私は、普通にシャワーを浴びて着替えた。




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