CURRENT
「結局、梨沙先輩は堕ちちゃいましたか」
席に着くなり、隣にいた菜月が楽しそうに言う。
「堕ちてないし、何もない。
菜月こそ酷くない?何で私があの人に連れて帰られなきゃいけないのよ」
「自然とお姫様抱っこする課長、凄くかっこよかったですよー」
「そんなこと聞いてないしっ」
「あ、でよ気を付けて下さいね。あの子、そうとう先輩の悪口言ってましたから」
菜月が沖田陽子を見ながら言う。
やっぱり、私が悪者か。
自分が取られる訳がないから、私を悪者に仕立てあげているのだろう。
本当に、くだらない。
あんな二重人格のどこがいいのだろう。
……あ、裏が見えていないからか。
自分がいいとこしか見えていないから。