E・N・M・A~えんま~
「ちょっとちょっと~。なあに?!さっきの!『よろしく…千夏』ーーって」
チャイムが鳴った後の休み時間、さっそくみやちゃんがワタシの席までやって来た。
初日なためか、転校生は帰ってしまっていたが、正直ワタシはホッとしていた。
何がなんだか分からないのだから、まずは気持ちを落ち着かせたかった。
ボーッとしているワタシに、みやちゃんは更に訊いて来る。
「転校生、超ーーカッコいいしッ!!…ってか、マジで知り合い!?もしかして…元カレとか?!」
まくし立てるみやちゃんは、体を乗り出して真っ赤な顔をして興奮状態だ。
それに、想像力が豊かで妄想の域に達している。
「あはははは…」
ワタシはとりあえず、笑ってみた。
精一杯笑顔を浮かべた…つもりだったが、みやちゃんには通じないようだ。
「ナニ笑ってごまかしてんの。…あの超イケメン転校生とどんな知り合い!?」
眉がつり上がって、迫力満点なみやちゃんに少し体をバックさせて、ワタシは言った。
「いやぁ~…ただのーー」
ワタシの頭はフル回転だ。
転校生は、閻魔なのかーー?
閻魔でないなら、誰なのかーー?
閻魔とそっくりな知り合いがいるかといったら、いない。
だが、転校生はワタシを知っている…。
「あーーーーッ!わけわかんないッ!!」
悶々とするうちに、とうとうワタシはおたけびをあげてしまった。