E・N・M・A~えんま~


「あなたが、閻魔ですね?!」




母がつけたのだろう、部屋の電気が明るくなった。


蛍光灯の下で閻魔の上半身が、白く浮かび上がった。


「はしたない、何ですかそんな格好で」


閻魔に向けられた視線をそのままに、母は感情のこもらない声で言いはなった。


「それは失礼した」

などと低姿勢に謝る閻魔も、いつもの彼ではないような気がする。



違和感ーー。



そう・・・。

二人とも、ワタシが知る母ではなく、閻魔でないようなのだ。



それにしても、母の言葉を頭の中で分析すると『あなたが、閻魔ですね』という一言は『閻魔』を知らなければ出てこないセリフだ。


母は彼を知っている・・・。








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