E・N・M・A~えんま~


しばらく仁王立ちのままの姿勢を保っていた母だが、

「閻魔のもとへは行っては駄目だからね」


と、ワタシに視線を移した。


「いったい何なの? お母さん、閻魔を知ってるの?」



伝わらないかも知れないけれど、分かってほしい。



母はツカツカと足早に歩いてくるとワタシの二の腕を掴んでベッドから立たせると、


「千夏、あんたは全く分かってないよ? ーーこの男はね、あの人を・・・あんたのお父さんを・・殺した超本人なんだよ!!」


と叫んだ。




「え・・・・・? なんでそのことを?」


驚いて聞き返すワタシに、母は突然うなだれてぽつりと言葉を落とした。





「あの時お母さんは・・・見ていたから」



< 267 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop