E・N・M・A~えんま~
「ちょっ、…ちょっと!!」
ぐいぐい腕を精一杯の力で押すけれども、さすがに女の細腕ではまるっきりびくともしない。
ますます包み込んでくる腕の力が強くなって、身動きがとれない。
しかも、シュウはワタシの髪に顔をうずめて、さも大事そうに抱き締めるから――。
「ねぇ…シュウ…?お願い…離して?」
だなんて弱々しく訴えることくらいしかできなくなる。
どちらの心臓の音なのか、それともお互いのものなのか、ドキドキと早いぺースで脈打つ音が呼応している。
それは心臓だけでなく、ワタシの太ももにある『白竜』がシュウの腕の『黒竜』を求めてやまないように感じるのは、なぜなんだろう。