E・N・M・A~えんま~


「ちょっ、…ちょっと!!」



ぐいぐい腕を精一杯の力で押すけれども、さすがに女の細腕ではまるっきりびくともしない。


ますます包み込んでくる腕の力が強くなって、身動きがとれない。



しかも、シュウはワタシの髪に顔をうずめて、さも大事そうに抱き締めるから――。




「ねぇ…シュウ…?お願い…離して?」



だなんて弱々しく訴えることくらいしかできなくなる。



どちらの心臓の音なのか、それともお互いのものなのか、ドキドキと早いぺースで脈打つ音が呼応している。



それは心臓だけでなく、ワタシの太ももにある『白竜』がシュウの腕の『黒竜』を求めてやまないように感じるのは、なぜなんだろう。



< 305 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop